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弁護士ドットコム(6027)銘柄分析|クラウドサインとLegal Brainで伸びるリーガルテック企業

弁護士ドットコムは、法律相談ポータルサイトから始まり、電子契約サービス「クラウドサイン」、判例データベース、法務AI、保険・訴訟ファイナンスまで広げているリーガルテック企業です。投資家目線では、クラウドサインが本当に高収益SaaSとして伸び続けるか、Legal Brainなど生成AI領域が次の柱になるかが焦点です。

目次

株価パフォーマンス比較

弁護士ドットコムと日経225の長期パフォーマンス

上場来のパフォーマンス(2014年12月12日→2026年5月14日/もし100万円投資した場合)

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投資対象開始値直近値騰落率100万円投資していた場合
弁護士ドットコム1,200円2,751円+129.2%約229万円
日経22517,371.58円62,654.05円+260.7%約361万円
注:弁護士ドットコムは分割調整後株価ベース。日経225は同日または直近営業日の値を使用。騰落率は「直近値 ÷ 開始値 – 1」で算出。100万円投資していた場合の金額は税金・手数料を考慮しない概算。

直近5年のパフォーマンス(2021年5月14日→2026年5月14日/もし100万円投資した場合)

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投資対象5年前の値直近値騰落率100万円投資していた場合
弁護士ドットコム8,560円2,751円-67.9%約32万円
日経22528,084.47円62,654.05円+123.1%約223万円
注:弁護士ドットコムは分割調整後株価ベース。日経225は同日または直近営業日の値を使用。騰落率は「直近値 ÷ 5年前の値 – 1」で算出。100万円投資していた場合の金額は税金・手数料を考慮しない概算。

株価パフォーマンスのポイント解説

弁護士ドットコムは、上場直後からクラウドサインの期待で大きく評価された時期がありました。紙と印鑑の契約文化を電子契約に置き換えるテーマ性が強く、2020年前後にはSaaS・DX銘柄として高く評価されました。一方で、クラウドサインへの先行投資により営業利益率が一時低下し、成長期待が高すぎた局面では株価も大きく調整しました。直近では、売上成長と利益率回復が同時に見え始め、クラウドサインが売上でも最大セグメントになっています。今後は、電子契約だけでなく契約管理、Legal Brain、保険、訴訟ファイナンスまで広げられるかが再評価の条件です。

歴史と成り立ち

弁護士ドットコムの歴史
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年月時価総額出来事
2005年7月非上場オーセンスグループ株式会社を設立。法律相談ポータルサイト「弁護士ドットコム」をリリース。
2006年8月非上場税理士相談ポータルサイト「税理士ドットコム」をリリース。
2013年10月非上場商号を弁護士ドットコム株式会社に変更。
2014年12月約267.9億円東京証券取引所マザーズ市場へ上場。
2015年10月約334.4億円Web完結型クラウド契約サービス「クラウドサイン」をリリース。
2016年3月約496.4億円企業法務ポータルサイト「BUSINESS LAWYERS」をリリース。
2019年10月約1,042.5億円三井住友フィナンシャルグループとの合弁会社「SMBCクラウドサイン」を設立。
2023年5月約655.6億円弁護士ドットコム AIチャット法律相談をリリース。
2023年10月約1,109.6億円判例データベース「判例秘書」等を提供するLICがグループジョイン。
2024年4月約723.9億円弁護士向けデジタル文書整理ツール「弁護革命」がグループジョイン。
2025年5月約632.6億円リーガル特化型AIエージェント「Legal Brainエージェント」の提供を開始。
2025年12月要確認東京証券取引所プライム市場へ市場変更。
2026年4月約619.7億円日本リーガルネットワーク、ミカタ少額短期保険がグループジョイン。
注:時価総額は確認できる調整後株価と株式数・BPS等から概算。上場前は非上場、確認困難な時点は要確認としています。

業績推移

弁護士ドットコムの業績推移
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決算期決算日終値時価総額売上規模営業利益率PERPBREPS
2016/03805円173.9億円11.1億円26.5%97.6倍17.7倍8.25円
2017/03837円182.7億円16.6億円24.6%70.6倍15.5倍11.85円
2018/032,031円450.3億円23.2億円21.7%138.7倍29.4倍14.64円
2019/034,390円977.1億円31.3億円16.3%292.3倍52.2倍15円
2020/034,225円940.4億円41.3億円9.5%361.1倍44.1倍11.70円
2021/038,710円1,943.4億円53.2億円3.2%3,003.4倍88.3倍2.90円
2022/033,945円875.3億円68.8億円16.6%125.0倍36.5倍31.56円
2023/032,410円540.2億円87.1億円12.5%74.5倍17.0倍32.33円
2024/033,390円767.0億円113.0億円10.9%90.1倍18.4倍37.62円
2025/032,743円626.4億円141.0億円9.9%58.7倍11.5倍46.69円
2026/032,815円652.2億円163.0億円13.5%42.2倍9.0倍66.66円
直近 2026年5月14日2,751円619.7億円205.0億円予想14.6%予想31.5倍予想8.8倍87.47円予想
注:株価・EPS・BPSは過去の株式分割を反映した分割調整後ベース。時価総額は原則として「決算日終値 × 期末自己株式控除後株式数」またはBPS・純資産から概算。直近行は2027年3月期会社計画と直近株価ベース。

主な出典:弁護士ドットコム IRライブラリー2026年3月期 決算短信2026年3月期 決算説明資料IRBank 弁護士ドットコム

業績推移のポイント

売上高は2016年3月期の11.1億円から2026年3月期の162.9億円まで拡大しました。特にクラウドサインの成長により、2022年以降は売上規模が大きく切り上がっています。一方で、営業利益率は2016年3月期の26.5%から2021年3月期の3.2%まで低下しました。これは、クラウドサインの認知拡大・営業体制・開発体制への先行投資が重かったためです。その後、2022年3月期以降は利益が回復し、2026年3月期は売上162.9億円、営業利益22.0億円、営業利益率13.5%まで戻りました。2027年3月期会社計画は売上205億円、営業利益30億円で、成長投資を続けながら利益率をもう一段上げられるかが重要です。

セグメント別の売上げ詳細

弁護士ドットコムのセグメント別売上
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セグメント売上高構成比セグメント利益利益率内容
プロフェッショナル支援事業75.3億円46.2%18.7億円24.9%弁護士ドットコム、税理士ドットコム、判例秘書、弁護革命等。
クラウドサイン事業87.6億円53.8%29.7億円33.9%電子契約・契約マネジメントプラットフォーム。
連結合計162.9億円100.0%22.0億円13.5%セグメント調整後の連結営業利益。
注:売上高・セグメント利益は2026年3月期決算短信ベース。構成比は各セグメント売上高を連結売上高で割って算出。連結営業利益には全社費用等の調整額△26.3億円が含まれます。

セグメント別の売上げ詳細のポイント

2026年3月期は、クラウドサイン事業の売上高が87.6億円となり、プロフェッショナル支援事業の75.3億円を上回りました。これは、弁護士ドットコムが法律相談メディア中心の会社から、電子契約・契約管理SaaSを主力にする会社へ変化していることを示します。クラウドサイン事業のセグメント利益率は33.9%で、プロフェッショナル支援事業の24.9%より高く、収益性の面でも主力です。ただし、全社費用の調整額が26.3億円あるため、連結営業利益率は13.5%にとどまります。つまり、セグメント単体では高収益化している一方、AI・M&A・管理体制・成長投資を含めた全社コストを吸収しながら利益を伸ばせるかが見どころです。

重要指標・成長ドライバー

弁護士ドットコムの成長ドライバー
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項目数値・状況見方
クラウドサイン事業売上87.6億円売上最大セグメント。電子契約から契約管理へ広げる主力事業。
クラウドサイン利益率33.9%高収益SaaSとして評価されやすい。
プロフェッショナル支援売上75.3億円弁護士・税理士・企業法務向けの安定収益基盤。
2027年3月期計画売上205億円・営業利益30億円利益率回復と成長継続を同時に求められる局面。
注:数値は2026年3月期決算短信および会社計画ベース。

成長ドライバーは、第一にクラウドサインです。電子契約の導入だけでなく、契約書管理、レビュー、ワークフロー、法務DX全体へ広げることで、単価と継続率を上げる余地があります。第二に、プロフェッショナル支援事業です。弁護士ドットコム、税理士ドットコム、判例秘書、弁護革命などを組み合わせることで、専門家向けのデータと業務支援を強化できます。第三に生成AIです。Legal BrainエージェントやAI法律相談は、法務・専門家業務の効率化ニーズと合います。第四にM&Aです。ミカタ少額短期保険、日本リーガルネットワークを取り込むことで、法律相談から解決までの市場を広げる狙いがあります。

キャッシュフロー・財務体質

弁護士ドットコムのキャッシュフロー
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決算期営業CF投資CFフリーCF現金等営業CFマージン
2019/033.0億円-1.7億円記載なし14.0億円9.6%
2020/031.4億円-3.4億円記載なし12.0億円3.4%
2021/035.7億円-3.1億円記載なし14.6億円10.7%
2022/0311.6億円-4.4億円記載なし16.8億円16.8%
2023/034.6億円-5.2億円記載なし16.5億円5.3%
2024/0311.6億円-21.0億円記載なし34.7億円10.2%
2025/0313.7億円-6.2億円記載なし41.7億円9.7%
2026/0316.2億円-10.4億円記載なし52.0億円9.9%
注:営業CF、投資CF、フリーCF、現金等はIRBank掲載の会社開示数値を億円換算。営業CFマージンは営業CF ÷ 売上高で算出。

営業CFは黒字基調で、2026年3月期は16.2億円でした。利益の回復に合わせて、営業キャッシュフローも改善しています。一方、投資CFは2024年3月期に大きくマイナスとなり、2026年3月期も-10.4億円です。これはM&Aやソフトウェア開発など、成長投資が必要な企業であることを示します。自己資本比率は2026年3月期で53.2%、現金等は52.0億円と、極端に財務が弱い会社ではありません。ただし、2026年4月にはミカタ少額短期保険、日本リーガルネットワークを子会社化しており、今後もM&A・開発投資・人材投資がキャッシュフローに影響する可能性があります。

同業他社・類似企業

弁護士ドットコムの同業比較
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項目弁護士ドットコムSansanマネーフォワードfreeeサイボウズ
証券コード60274443399444784776
時価総額619.7億円1,658.3億円2,457.8億円1,302.0億円1,262.0億円
売上規模205.0億円予想432.0億円503.0億円419.0億円予想422.0億円予想
営業利益率14.6%予想6.5%-5.3%記載なし24.9%予想
PER31.0倍記載なし記載なし記載なし14.9倍
PBR8.7倍9.2倍5.9倍6.4倍6.3倍
ROE28.1%2.8%3.9%7.0%42.5%
注:時価総額・PER・PBRは取得時点の株価ベース。売上規模・営業利益率は各社の会社予想または直近実績ベース。ROEは直近実績または会社開示値ベース。取得日:2026年5月18日。

強み

弁護士ドットコムの強みは、法律相談メディア、専門家ネットワーク、クラウドサイン、Legal Brainを同じ会社の中に持っていることです。Sansanやマネーフォワード、freeeは企業向けSaaSとして大きな市場を狙っていますが、弁護士ドットコムは法律・契約・専門家という特化領域で深く展開しています。クラウドサインは、電子契約という入口から契約管理・法務DXへ広げやすく、企業の業務フローに入り込める点が魅力です。また、2026年3月期はクラウドサインのセグメント利益率が33.9%まで高まり、成長投資を続けながら利益を出せるフェーズに入ってきました。生成AIとの相性も良く、法律相談、判例検索、契約書レビューなどで新しい収益機会があります。

弱み

弱みは、株価に織り込まれる期待が高くなりやすいことです。PERやPBRは一般的なバリュー株と比べると高く、クラウドサインの成長率や利益率が鈍化すると株価は大きく下がりやすいです。また、電子契約市場は競合が多く、大手IT企業、ERP、グループウェア、文書管理サービスと競争します。単なる電子署名だけでは差別化が難しく、契約管理や法務AIまで含めた総合力が必要です。生成AI領域も、便利である一方、法律相談の品質、責任範囲、規制対応、誤回答リスクが重要になります。M&Aで領域を広げるほど、統合・収益化の難易度も上がるため、売上成長だけでなく投資回収を確認する必要があります。

株価の上昇余地はあるか?(アップサイド・カタリスト)

弁護士ドットコムのアップサイド・カタリスト

アップサイドの中心は、クラウドサインの再評価です。電子契約から契約管理・法務DXへ広がり、セグメント利益率30%台を維持しながら売上成長できれば、高収益SaaSとして見直されます。次にLegal Brainエージェントなど生成AIの収益化です。法律・契約・判例データは生成AIとの相性が高く、専門家業務を効率化できる領域です。第三に、ミカタ少額短期保険と日本リーガルネットワークの子会社化です。法律相談だけでなく、保険、訴訟ファイナンス、解決支援まで広げられれば、司法アクセスの市場を取り込めます。第四に利益率回復です。2027年3月期計画では営業利益30億円、営業利益率14.6%を見込んでおり、これを超える進捗が出ると株価の見直し材料になります。

株価下落余地はあるか?(ダウンサイドリスク)

弁護士ドットコムのダウンサイドリスク

ダウンサイドリスクは、まずクラウドサインの成長鈍化です。電子契約市場は普及が進むほど新規導入余地が小さくなり、競合との価格競争や機能比較が強まります。契約管理や法務DXへ広げられない場合、成長率が下がりやすくなります。次に、AI事業の不確実性です。Legal BrainやAI法律相談は魅力的ですが、法律分野では誤回答や責任範囲、弁護士法・個人情報・情報セキュリティへの対応が重要です。さらにM&A統合リスクもあります。ミカタ少額短期保険、日本リーガルネットワーク、LIC、弁護革命をどうつなげるかで、成長シナリオの説得力が変わります。最後にバリュエーションです。成長期待が高い銘柄のため、営業利益の進捗が弱いと株価調整が大きくなりやすい点に注意が必要です。

業界全体のモメンタム

リーガルテック業界のモメンタム

リーガルテック業界は、電子契約、契約管理、法務部門の効率化、生成AI、司法アクセス改善という複数の追い風があります。日本では紙・印鑑文化が長く残ってきましたが、電子契約の普及により、契約書の作成、締結、保管、検索、更新管理までデジタル化する流れが強まっています。また、企業法務では契約書レビューやナレッジ共有の負担が大きく、生成AIの活用余地があります。個人向けでは、法律トラブルがあっても弁護士に相談しにくい「二割司法」の問題があり、相談、保険、費用支援、訴訟ファイナンスの市場も広がる可能性があります。一方、法律領域は信頼性が最重要で、AIやプラットフォームがどこまで責任を持てるかが競争の分かれ目です。

株価に大きな影響を与えたニュース

弁護士ドットコムの主なニュース年表

株価に影響を与えた大きなニュースとしては、2014年の上場、2015年のクラウドサイン開始、2019年のSMBCクラウドサイン設立、2023年のAI法律相談と判例秘書グループ化、2025年のLegal Brainエージェント開始とプライム市場への市場変更、2026年のミカタ少額短期保険・日本リーガルネットワーク子会社化が挙げられます。特にクラウドサインは、弁護士ドットコムを法律相談メディア企業からSaaS企業へ変えた転換点です。直近のM&Aは、単なる電子契約から、法律トラブルの予防・相談・解決まで広げようとする動きであり、成功すれば事業の見え方がもう一段変わります。

社長の経歴

代表取締役社長兼CEOは、創業者で弁護士の元榮太一郎氏です。1975年生まれで、慶應義塾大学法学部法律学科を卒業し、1999年に司法試験に合格。2001年にアンダーソン・毛利・友常法律事務所へ入所し、M&Aやファイナンス案件など企業法務に携わりました。2005年に元榮法律事務所を開所し、同年にオーセンスグループ株式会社、現在の弁護士ドットコムを創業しました。2014年には弁護士として日本初の株式上場を実現。2016年には参議院議員に当選し、2022年の任期満了後は再び企業経営に専念しています。創業者が法律実務と事業開発の両方を理解している点は、リーガルテック企業としての強みです。

株主構成

弁護士ドットコムの株主構成
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株主保有比率見方
Authense Holdings合同会社43.49%創業者関連と見られる筆頭株主。
元榮太一郎21.61%創業者・代表取締役社長兼CEO。
日本カストディ銀行(信託口)5.53%機関投資家の保有を反映。
日本マスタートラスト信託銀行(信託口)2.53%機関投資家の保有を反映。
THE BANK OF NEW YORK 1336522.14%海外機関投資家系。
THE BANK OF NEW YORK MELLON 1400512.14%海外機関投資家系。
THE BANK OF NEW YORK 1336121.09%海外機関投資家系。
BNY GCM CLIENT ACCOUNT JPRD AC ISG(FE-AC)0.97%海外機関投資家系。
THE BANK OF NEW YORK 1335950.84%海外機関投資家系。
J.P.MORGAN BANK LUXEMBOURG S.A.3815720.55%海外機関投資家系。
注:2025年3月時点のIRBank掲載データベース。会社公式有価証券報告書の大株主情報と照合する前提の参考値です。

株主構成では、Authense Holdings合同会社と元榮太一郎氏の保有比率が非常に高く、創業者色が強い会社です。これは長期的な事業構想を進めやすい一方、一般株主から見ると創業者の意思決定の影響が大きい構成でもあります。クラウドサインやLegal Brain、M&Aによる事業拡張は時間軸が長いため、創業者主導で一貫した戦略を進められる点は強みです。一方で、株価評価には少数株主への説明、資本効率、利益成長の見える化が重要になります。

IR情報ダウンロードリンク集

この記事で使用した会社公式IR資料をまとめています。決算短信、決算説明資料、有価証券報告書など、分析に使った資料へすぐアクセスできます。

決算短信・決算説明資料

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月次情報・店舗数資料

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