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スシロー(FOOD & LIFE COMPANIES・3563)を徹底評価

回転寿司最大手のスシローを展開するFOOD & LIFE COMPANIES(3563)について、株価水準、バリュエーション、競争力、成長余地、決算推移をもとに総合評価する。

現状認識

  • 現在株価:9,256円(2026年4月17日終値ベース)
  • PER:43.69倍
  • PBR:10.05倍
  • TOPIXとの相対パフォーマンス:再上場後の推移では大幅アウトパフォーム

同社は旧上場廃止を経て2017年3月に再上場しているため、厳密な意味での「株価ベースの10年比較」は不可。ただし、再上場後の株主総利回りベースではTOPIXを大きく上回る実績を残している。

総評

事業は強い。株価はかなり先回り。

国内回転寿司市場でのブランド力、店舗運営ノウハウ、商品開発力、デジロー導入、海外展開の拡大が強み。既存店売上の回復と価格改定の浸透により、業績は明確な改善局面にある。一方で、足元のPER・PBRはかなり高く、業績成長の継続を相当程度織り込んだ水準とみる。

銘柄採点(各10点満点)

項目評価コメント
1. 競争優位性8点ブランド力、規模、商品力、オペレーションで優位
2. 収益性・価格支配力8点価格改定が浸透し、利益率も回復基調
3. 成長実績9点再上場後の売上・利益成長は高水準
4. 成長余地8点海外、DX、既存店改善の余地が大きい
5. 財務健全性・キャッシュフロー8点収益回復に伴いCF創出力も改善
6. 資本配分力(資本政策)7点成長投資優先の色合いが強い
7. 株主還元姿勢7点還元は行うが、高配当株という位置付けではない
8. 経営陣・ガバナンス7点再成長局面の執行力は評価余地あり
9. マクロ環境・テーマ性・需給7点外食、内需、値上げ、インバウンドの追い風あり
10. バリュエーション3点高成長期待込みでも割高感が強い

総合評価:72点

投資判断のポイント

  • 国内回転寿司での圧倒的な知名度と集客力
  • デジロー導入による客単価・回転率・体験価値の向上余地
  • 海外事業の拡大による成長余地
  • 2022年度の逆風を乗り越え、利益率が再び改善局面に入った点
  • 一方で、株価はかなりの成長継続を織り込んでいる点に注意

直近10期の決算データ

以下、古い順に10期分を整理する。IFRS採用企業のため、「経常利益」は便宜上、税引前利益ベースで記載する。

2016年9月期(2016年度)

  • 最高値:—
  • 最安値:—
  • 騰落率:—
  • TOPIX騰落率:—

再上場前のため株価比較は対象外。売上1,477億円、営業利益75.1億円。営業利益率5.1%。後年の成長局面前における基礎収益力を示す年度。

項目会社予想実績予想比前年比
売上高1,477億円+8.5%
営業利益75.1億円+9.0%
営業利益率5.1%+0.0pt
経常利益46.9億円△10.2%
純利益31.8億円△16.8%
EPS(1株当たり純利益)90.11円+64.5%

2017年9月期(2017年度)

  • 最高値:3,715円
  • 最安値:3,245円
  • 騰落率:—
  • TOPIX騰落率:—

2017年3月再上場年度。売上1,564億円、営業利益92億円、営業利益率5.9%。売上は未達だが、利益は計画超過。以後の成長相場の起点となった年度。

項目会社予想実績予想比前年比
売上高1,596.9億円1,564億円△2.1%+5.9%
営業利益89.2億円92億円◎3.2%+22.6%
営業利益率5.6%5.9%◎5.3%+0.8pt
経常利益84.7億円90億円◎6.1%+91.7%
純利益58.9億円69.5億円◎18.1%+118.3%
EPS(1株当たり純利益)214.35円253.16円◎18.1%+180.9%

2018年9月期(2018年度)

  • 最高値:7,010円
  • 最安値:3,475円
  • 騰落率:+88.8%
  • TOPIX騰落率:+10.8%

売上1,748.8億円、営業利益117.2億円、営業利益率6.7%。増収増益が鮮明で、再上場後の評価拡大が一気に進んだ年度。

項目会社予想実績予想比前年比
売上高1,748.8億円+11.8%
営業利益117.2億円+27.3%
営業利益率6.7%+0.8pt
経常利益115.1億円+27.9%
純利益79.9億円+14.9%
EPS(1株当たり純利益)276.93円+9.4%

2019年9月期(2019年度)

  • 最高値:7,880円
  • 最安値:5,530円
  • 騰落率:+9.2%
  • TOPIX騰落率:△10.4%

売上1,990.9億円、営業利益145.5億円、営業利益率7.3%。利益率改善が進み、収益性は上場後ピーク圏に到達した年度。

項目会社予想実績予想比前年比
売上高1,990.9億円+13.8%
営業利益145.5億円+24.1%
営業利益率7.3%+0.6pt
経常利益143.6億円+24.8%
純利益99.6億円+24.6%
EPS(1株当たり純利益)343.25円+23.9%

2020年9月期(2020年度)

  • 最高値:2,800円(株式分割反映後)
  • 最安値:1,250円(株式分割反映後)
  • 騰落率:+46.5%
  • TOPIX騰落率:+4.9%

コロナ影響下でも売上2,049.6億円と増収維持。営業利益は120.6億円へ減少し、営業利益率は5.9%へ低下したが、外食逆風下でも黒字を維持した年度。

項目会社予想実績予想比前年比
売上高2,049.6億円+2.9%
営業利益120.6億円△17.1%
営業利益率5.9%△1.4pt
経常利益105.4億円△26.6%
純利益64.6億円△35.2%
EPS(1株当たり純利益)55.64円△83.8%

2021年9月期(2021年度)

  • 最高値:5,480円
  • 最安値:2,656円
  • 騰落率:+95.7%
  • TOPIX騰落率:+27.5%

回復局面。売上2,408億円、営業利益229億円、営業利益率9.5%。利益水準は大幅に改善し、株価も急反発。コロナ後の回復を強く印象づけた年度。

項目会社予想実績予想比前年比
売上高2,408億円+17.5%
営業利益229億円+89.9%
営業利益率9.5%+3.6pt
経常利益215.8億円+104.9%
純利益131.9億円+104.2%
EPS(1株当たり純利益)113.61円+104.2%

2022年9月期(2022年度)

  • 最高値:5,320円
  • 最安値:2,060円
  • 騰落率:△56.2%
  • TOPIX騰落率:△7.1%

原材料高、人件費、為替など逆風が集中。売上は2,813億円へ拡大したが、営業利益は101.2億円へ大幅減。価格転嫁力が問われた厳しい年度。

項目会社予想実績予想比前年比
売上高2,813億円+16.8%
営業利益101.2億円△55.8%
営業利益率3.6%△5.9pt
経常利益75.6億円△65.0%
純利益36.1億円△72.6%
EPS(1株当たり純利益)31.16円△72.6%

2023年9月期(2023年度)

  • 最高値:3,710円
  • 最安値:2,132円
  • 騰落率:+15.2%
  • TOPIX騰落率:+29.8%

売上3,017.5億円、営業利益110億円。営業利益率は3.6%で横ばいながら、純利益は回復。収益の底打ちを確認した年度。

項目会社予想実績予想比前年比
売上高3,017.5億円+7.3%
営業利益110億円+8.7%
営業利益率3.6%0.0pt
経常利益98.6億円+30.4%
純利益80.5億円+123.0%
EPS(1株当たり純利益)69.54円+123.2%

2024年9月期(2024年度)

  • 最高値:3,197円
  • 最安値:2,019円
  • 騰落率:+13.8%
  • TOPIX騰落率:+16.6%

回復が鮮明。売上3,611.3億円、営業利益233.8億円、営業利益率6.5%。価格改定、客数回復、デジロー導入などが効き、利益率は大幅改善した年度。

項目会社予想実績予想比前年比
売上高3,611.3億円+19.7%
営業利益233.8億円+112.6%
営業利益率6.5%+2.8pt
経常利益216.5億円+119.5%
純利益146.3億円+81.9%
EPS(1株当たり純利益)127.46円+83.3%

2025年9月期(2025年度)

  • 最高値:8,715円
  • 最安値:2,840円
  • 騰落率:+164.6%
  • TOPIX騰落率:+21.5%

過去最高益更新。売上4,295.7億円、営業利益360.9億円、営業利益率8.4%。既存店の伸長、海外比率上昇、デジロー拡大が寄与し、成長ストーリーが再評価された年度。

項目会社予想実績予想比前年比
売上高4,080億円4,295.7億円◎5.3%+19.0%
営業利益260億円360.9億円◎38.8%+54.3%
営業利益率6.4%8.4%◎31.8%+1.9pt
経常利益337.8億円+56.0%
純利益150億円229.4億円◎52.9%+56.7%
EPS(1株当たり純利益)132.60円202.71円◎52.9%+59.0%

結論

スシローは、外食の中でも競争優位性が明確で、業績回復も力強い。一方で、足元の株価はかなりの成長継続を前提にした水準であり、投資判断は「良い会社」と「良い株価」を分けて考える必要がある。事業の質は高いが、バリュエーション面では慎重さも求められる局面とみる。

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