FOOD & LIFE COMPANIES(3563)を上場来で整理|業績推移・株主構成・採点・リスクまとめ
FOOD & LIFE COMPANIESは2017年3月30日に東証へ再上場しており、2025年9月期までの通期実績は9期です。そのため、この記事では「ここ10年比較」ではなく「上場来比較」で整理しています。
先に結論
事業の質、国内でのブランド力、海外成長力は非常に高い一方で、株価は強気の成長シナリオをかなり織り込んでいます。
- 国内スシロー661店、海外スシロー272店まで拡大
- 2025年9月期は売上4,295.7億円、営業利益360.9億円、営業利益率8.4%
- ROEは26.9%と高水準
- PER43.69倍、PBR10.05倍で株価評価は高め
現状認識
ここ10年のTOPIXとの相対パフォーマンス率は、上場10年未満のため厳密な10年比較はありません。また、上場日終値ベースの厳密照合を完了できていないため、参考値として会社開示の株主総利回りを確認します。
2025年9月期の株主総利回りは297.2、比較指標の配当込みTOPIXは217.8で、その差はプラス79.4ポイントでした。ただし、これは会社開示ベースの比較指標であり、上場日終値基準の厳密比較とは一致しない可能性があります。
基本情報
| 時価総額 | 1兆743.4億円(2026年4月17日時点) |
| PER | 43.69倍 |
| PBR | 10.05倍 |
| ROE | 26.9%(2025年9月期) |
| 配当利回り | 0.38% |
| 自己資本比率 | 24.0%(2025年9月期) |
| 従業員数 | 11,720人(連結、2025年9月30日時点) |
| 平均年収 | 892.8万円(提出会社単体、2025年9月30日時点) |
株主構成
創業者は清水義雄氏ですが、直近の大株主上位5名には清水氏個人名義は確認できませんでした。そのため、一次情報で確認できる範囲では創業者持株は不明です。
主な大株主(2025年9月30日時点)
- 日本マスタートラスト信託銀行(信託口) 14.89%
- 株式会社日本カストディ銀行(信託口) 5.38%
- STATE STREET BANK AND TRUST COMPANY 505001 3.56%
- 全国農業協同組合連合会 3.31%
- HSBC HONG KONG-TREASURY SERVICES A/C ASIAN EQUITIES DERIVATIVES 2.84%
※持株比率は自己株式2,814,631株控除後
銘柄採点
| 競争優位性 | 9/10 | ブランド力、店舗網、調達力、商品開発力が強い |
| 収益性・価格支配力 | 7/10 | 回復力はあるが、コスト高局面では利益変動も大きい |
| 成長実績 | 8/10 | 2021年9月期から2025年9月期にかけて売上が大きく拡大 |
| 成長余地 | 8/10 | 海外展開とデジロー拡大に余地がある |
| 財務健全性・CF | 7/10 | 自己資本比率は高くないが営業CFは強い |
| 資本配分力 | 7/10 | 成長投資と還元のバランスが取れている |
| 株主還元姿勢 | 6/10 | 増配傾向だが利回りは高くない |
| 経営陣・ガバナンス | 8/10 | 社外取締役比率が高く、体制面は強い |
| マクロ環境・需給 | 7/10 | 外食回復と海外需要は追い風だがコスト上昇は逆風 |
| バリュエーション | 4/10 | 高成長期待をかなり織り込んだ水準 |
| 総合評価 | 71点 | 事業の質は高いが、株価は先行している印象 |
上場来の業績推移
2017年9月期
再上場初年度です。売上1,564億円、営業利益92億円、営業利益率5.9%でした。国内既存店に加え、台湾進出の布石が打たれた時期で、利益成長が鮮明でした。
- 純利益:69.5億円
- EPS:63.29円
- 最高値:3,715円
- 最安値:3,245円
2018年9月期
国内出店と台湾・韓国など海外展開が進み、売上1,748.8億円、営業利益117.2億円、営業利益率6.7%へ上昇しました。規模拡大が収益改善につながった年度です。
- 純利益:79.9億円
- EPS:69.23円
- 最高値:7,010円
- 最安値:3,475円
2019年9月期
売上1,990.9億円、営業利益145.5億円、営業利益率7.3%でした。コロナ前の収益力としてはひとつのピークといえる年度です。
- 純利益:99.6億円
- EPS:85.81円
- 最高値:7,880円
- 最安値:5,530円
2020年9月期
新型コロナの影響で来店制約が発生しました。売上は2,049.6億円と微増でしたが、営業利益は120.6億円、営業利益率は5.9%へ低下しました。
- 純利益:64.6億円
- EPS:55.64円
- 最高値:2,800円
- 最安値:1,250円
2021年9月期
コロナ影響の反動回復と京樽の子会社化もあり、売上2,408億円、営業利益229億円、営業利益率9.5%まで急回復しました。
- 純利益:131.8億円
- EPS:113.61円
- 最高値:5,480円
- 最安値:2,656円
2022年9月期
売上は2,813億円まで増えた一方、原材料高、人件費上昇、キャンペーン影響などで利益が急減しました。営業利益率は3.6%まで低下しています。
- 純利益:36.1億円
- EPS:31.16円
- 最高値:5,320円
- 最安値:2,060円
2023年9月期
売上は3,017.5億円まで拡大し、利益はなお低水準ながらも2022年から回復しました。
- 営業利益:110億円
- 純利益:80.5億円
- EPS:69.54円
- 最高値:3,710円
- 最安値:2,132円
2024年9月期
既存店好調と施策効果で大幅増益となりました。売上3,611.3億円、営業利益233.8億円、営業利益率6.5%まで回復しています。
| 売上高 | 会社予想 3,500億円 | 実績 3,611.3億円 | 予想比 +3.2% |
| 営業利益 | 会社予想 115億円 | 実績 233.8億円 | 予想比 +103.3% |
| 純利益 | 会社予想 65億円 | 実績 146.3億円 | 予想比 +125.1% |
| EPS | 会社予想 56.19円 | 実績 127.46円 | 予想比 +126.8% |
2025年9月期
売上4,295.7億円、営業利益360.9億円、営業利益率8.4%と大きく伸長しました。国内既存店の強さと海外売上比率の上昇が際立った年度です。
| 売上高 | 会社予想 4,080億円 | 実績 4,295.7億円 | 予想比 +5.3% |
| 営業利益 | 会社予想 260億円 | 実績 360.9億円 | 予想比 +38.8% |
| 純利益 | 会社予想 150億円 | 実績 229.4億円 | 予想比 +52.9% |
| EPS | 会社予想 132.60円 | 実績 202.71円 | 予想比 +52.9% |
業績推移から見えるポイント
- 2017年から2019年にかけては順調な成長局面
- 2020年はコロナで減速
- 2021年に急回復し、2022年はコスト高で失速
- 2023年は立て直し局面、2024年と2025年で再加速
- 現在は国内既存店の強さと海外拡大が成長の中心
同業他社・類似企業
- くら寿司(2695):回転寿司の直接比較先
- カッパ・クリエイト(7421):採算差を見る比較先
- Genki Global Dining Concepts(9828):海外成長の比較先
- ゼンショーホールディングス(7550):調達力や価格転嫁力の比較対象
今後のアップサイド要因
1. 国内既存店の好調継続
2025年9月期の国内既存店売上高は110.1%、客数104.2%、客単価105.7%でした。客数を維持したまま単価改善が続けば、利益拡大余地があります。
2. 海外出店の継続
2026年3月時点で海外スシローは272店まで増加しています。海外売上構成比も30%を超えており、さらなる成長余地があります。
3. DX・デジロー拡大
2025年9月末時点でデジローは国内123店、海外19店まで拡大しています。回転率や注文体験の改善につながる余地があります。
今後のダウンサイドリスク
1. コスト上昇
円安、水産資源、物流費、人件費、設備資材高騰は利益を圧迫しやすい要因です。
2. 自然災害・サプライチェーン寸断
調達安定性や店舗運営に悪影響を与える可能性があります。
3. 海外積極出店の執行リスク
海外成長は魅力ですが、立ち上がりが遅れると固定費負担が先行しやすくなります。
最終評価
FOOD & LIFE COMPANIESは、回転寿司チェーンの中でもブランド、店舗網、調達力、海外展開力のバランスが非常に優れた企業です。2025年9月期の業績も強く、事業そのものの魅力は高いといえます。
一方で、PERやPBRの水準から見ても、株価はかなり強気の成長期待を織り込んでいます。そのため、投資判断としては「良い会社だが、株価は先回りしている」と整理しやすい銘柄です。
一言でまとめると
事業の質と海外成長力は高いが、株価は強気シナリオをかなり先取りしている銘柄です。


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